【本メモ】『生きるぼくら』|つながりながら生きていく。

本メモ

こんにちは!篤影です。

仕事関係の勉強&最近タフな仕事が続いてまして、

久しぶりの投稿になってしまいました。

 

ただ、Youtubeの断捨離を始めてから

以前より本を読めるようになりまして、

今回も読書メモをお送りします。

本の概要

書名:生きるぼくら

作者:原田マハ

初版:2012年9月(単行本)

発行所:徳間書店

定価:690円(文庫本)

読んだきっかけ

本の名前もですが、帯に書いてあった

「おにぎりが食べたくなる本」の

キャッチコピーが気になりました。

 

「生きるぼくら」と「おにぎり」が

どのように結びつくのか興味をそそられました。

本のテーマ

・人と自然と、つながりながら生きていく

 

たとえいまが孤独でも、

分かり合える人はどこかにいて

支えてくれる人が現れる、

そして自分が支えたい人も現れる。

 

そんなことを教えてくれる気がします。

 

そして、主人公の姿を通して、

人って、生きがいを見つけることで

こんなに変われるんだということを

教えてくれます。

こんな人におすすめ

・中学生、高校生。(悩める年代の子たち)

・孤独を感じる方。

・いっそのこと、今いる場所を離れたい・既に離れた方。

あらすじ

東京で暮らす主人公の麻生人生、24歳。

彼はいじめられた経験から高校を中退し、

引きこもりの生活が続いていた。

 

小学生のころに両親が離婚し、

それ以来、家庭は母と子の2人。

 

引きこもりになってからは、

母が用意した食事を、空腹を満たすために食べるだけ、

パソコンを通して外との繋がりを

かろうじて持つだけだった。

 

ある日、母が彼に宛てた手紙と、

「この中から連絡をとってみて」と、

母宛に届いていた年賀状を置いて

失踪してしまう。

 

このままじゃいけないと思った主人公は、

その年賀状の中から見つけた行き先を目指し、

世界が広がり始める。

得たもの

人によっては、ネタバレになってしまうかもしれないので、

以降読むのをお控えください(笑)

主人公の姿に勇気づけられます

あらすじに書いた通り、

主人公は学校でのいじめをきっかけに

自分を閉ざし、人との関わりを断ちます。

  

しかし、そんな彼があるきっかけから行動し、

途中、様々な壁や葛藤がありながらも、

強く、変わっていきます。

  

この主人公が変わっていったきっかけは、

本人の必死さ・素直さにあるんじゃないかなと

私は感じました。

 

なんとかゴールへたどり着きたいという必死さと、

少しずつ心を開いて、人と繋がっていく素直さ。

 

そして、その人とのつながりと自然から、

生きがいを見つけていきます。

つたなくてもいいから一歩一歩進もうという

メッセージに見えました。

 

多くの方、とくに主人公と似たような

境遇にある方や孤独を感じてる方は、

そんな主人公の姿から、

勇気をもらえるのではないでしょうか。

介護のありかたについて

詳細は読んでからのお楽しみですが、

「ヤングケアラー」や「介護」の観点も

あるように感じました。

 

ヤングケアラーといえば、

大まかに介護に従事する若い世代のことを指しますが、

主人公はその場面にも出くわします。

 

印象に残ったのは、

「高齢者へつらく当たってしまうのは、

介護する人が孤独だったから」

という部分。

 

「側からいなくなってほしくないから、

長生きしてほしい」という思いを抱く一方で、

そう思うからその行動や思いが

完璧主義につながってしまい、

邪魔をしてしまいます。

 

私自身、介護した経験はありませんが、

経験した親族の話を聞くと、

「完璧にやろう」という思いや、

介護する人が、「人は老いる」ことを受け入れず、

以前と変わらず対応してしまうこと、

そして「ゆるせない」ことが原因で、

ギクシャクしたことが多かったように思います。

 

これから日本はさらなる高齢社会へ突入しますが、

まずは「健康に長生きすること」を第一優先にしつつ、

介護する側、される側になったら

お互いゆるしあえる余裕を持っておきたいものです。

 

そして介護する側の立場にたつ(モノでもココロでも)、

そんなものがより必要とされるんでしょうね。

「職業観」を問いかける

そして、「職業観」を問いかける観点も

あるように感じました。

 

物語では、農作業が登場します。

これも詳細は割愛しますが、

いわゆるブルーカラーの仕事をしている人と

ホワイトカラーの仕事を目指す人が

対立する場面があります。

 

職業観についての本ではないですし、

どちらがいいとかは書いてありません。

 

ただ、主人公の姿や対立を通して

「あなたは何を大切に働いているんですか、

生きているんですか」

ということを、問いかけている気がします。

まとめ

この本は、やっすい言い方をすると、

「勇気をもらえる青春小説」です。

 

でも、青春小説といえど侮るなかれ。

主人公はもちろん、出会う人の中でも葛藤や悩みがあり、

その中で生きていく姿に気付きがありますし、

考えさせられるテーマがあります。

 

私は先に述べた3点が印象に残りましたが、

読む人それぞれで、違った切り口で物語が

読み込まれることでしょう。

 

ぜひ、手に取って読んでみてください!

 

ちなみに、この本の帯にあったキャチコピー

「おにぎりが食べたくなる本」の意味について、

読んだらなるほど納得でした。

 

でも私は「梅干し」が食べたくなって、

読了した週末、早速スーパーで買っちゃいました(笑)

 

では、また!